ふうちゃんが梶山先生へ手紙を書いている。
「…わたしをかわいがってくれる人を、わたしがよく知らないとしたら、
わたしはただ、人に甘えているだけの人間になります。
わたしをかわいがってくれる分だけ、つらいめにあってきたのだということが、
このごろのわたしには、なんとなくわかるのです。
…知らなくてはならないことを、知らないで過ごしてしてしまうような
勇気のない人間に、わたしはなりたくありません。…」
そこには、ちまたにあふれるやわな感動ではなくて、沸き立つような感動が、
全身を駆けめぐりました。
てだのふあ・おきなわに亭に集うひとたちは、それぞれやさしさの根底にあるものを
持ちつつ、思いやりもあるし、人を気遣う。
そしてふうちゃんは、自分の生が、たくさんのひとのかなしみの果てにあるのだと気付く。
ちょっと自分のあり方がかわっちゃいます。